浄法寺から搬入第2弾の荷物が届いて、なんだか気もそぞろ。すっかり明後日からの催しの準備モードになってきました。
本日のリストを見ると、なんと愛知で活躍する浄法寺塗りの作り手で、以前「こどものうつわ展」でもお世話になった松井尚美さんも飛び入り参加。滴生舎で働く鈴木真樹子さんも加わって、総勢12人(滴生舎の参加もあるので11人と1組)の賑やかな催しになりました。
国産漆のいまでは約8割を産する岩手県浄法寺町は、もうほとんど青森に近い二戸市にあります。
寂聴さんが住職を務めたことでも有名な天台寺の僧が、この漆を使って作った飯碗、汁碗、皿が御山漆器と呼ばれるようになり、やがてそれが庶民に広がって浄法寺塗りとなったそうです。
ですが、かつては人々の暮らしとともにあった漆器も、戦後、プラスチックの攻勢を受け、粗製乱造に陥り、衰退の一途を辿りました。そこで、これではだめだと立ち上がったのが、岩舘隆さんのお父さんで、漆掻き職人の岩舘正二さん。「浄法寺漆器工芸企業組合」を発足し、隆さんらとともにその復興に取り組み、昭和60年には浄法寺漆は「伝統的工芸品」に認定されるまでになりました。
そのころから浄法寺漆は、当時青山にあった全国伝統的工芸品センターや秋岡芳夫さんの主宰するmonomonoなどでも見かけるようになり、わたしもそのシンプルで実質的なかたちと手が届く手頃な値段に惹かれ、30代の初め、大振りのお椀を求めて愛用していたりしたのですが、なぜかPARTYの店頭に並んだのは、つい4〜5年前、こどものうつわ展をはじめたときでした。
なんだか長年、こがれた人とようやく親しくなれた気分。
浄法寺を訪ねたおかげで、岩舘さん以外にもたくさん素晴らしい塗り手がいることも知りました。そのひとりの鈴木健司さんには、光栄にも「東京で初めて」その作品を扱わせていただく店になることができ、去年は漆掻きまで見せていただくことができました。
そんなこんなで愛する浄法寺と急接近。今回、「うるしの里 浄法寺展」を開かせていただくことになったのです。
うるしの里 浄法寺には、魅力的な作り手たちがいて、次々に若い人も育ち「いま、浄法寺は盛り上がっている」と言われています。
が、そこに暮らす人たちの漆離れはご多分にもれません。使い手がいなければ、漆の文化は廃れる。いま、掻き手は高齢化し、塗りや漆掻きの道具の作り手は絶滅の危機に瀕しているそうです。
みんなで漆のうつわを使おう。日本のゆたかな文化を守り伝えよう。
そんな気持をこめて、浄法寺展をお届けします。ぜひぜひいらしてくださいね。
上は、絶大な人気の岩舘隆さんのお椀。
使い込んでピカピカになったお椀。
26日、27日に、二戸の郷土料理、鯖のひっつみ汁をつくります。わたしが。練習、一回しかしてないですけど。いや、大丈夫大丈夫。たぶん。
それで、そのために滴生舎からお借りしたのがこのお椀。ひゃ〜〜、かわいい。やる気出るなあ。。がんばろう。
飛び入り、松井尚美さんのお椀とぐい吞み。赤いぐい吞みの中には、いっちんでお花の絵が描かれていて女性らしくやさしい雰囲気。
こちらも飛び入り参加の鈴木真樹子さん。鳥の絵が可愛いお箸。
今回のメインは、鈴木健司さん。
「ぐい吞みは小さくて面倒だから」作らないって言っていたのに、作ってくれたのね〜〜!鈴木さん独特の魅力的なワインレッド。お椀のミニチュアみたいなかたちが可愛い。呑んでみたくなっちゃうなあ。
鉢も新作。初日にさらに作品を持参してくれるそうです。
自分で掻いた漆で作品を作る鈴木さん。皆さん、お話しに来てくださいね!
「Dear」の
「鈴木健司さんのこと」、ご覧ください。
あわせて、ブログの
浄法寺訪問記も!
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