きょうは、家にいる日です。
紹介したいものの写真撮りや遅くなってしまった原田晴子さんのコラムのアップを腰を据えてしたかったからですが、店が休みのときも荷物の発送や諸々の仕事で出勤したり個展をまわったり、出かけていることが概ねなので、こうして日中丸まる家にいられ、写真を撮りながらお料理したり、お日さまが落ちないうちに洗濯物を取り込めたりする日は、ほんとに「しあわせ」と呟いちゃうほどしあわせ。
なのに、夕べ「明日は家にいるんだ」と言うと「じゃ、コーヒー豆を買って来てよ」と相棒。「え〜っ!」と、思わず親のお使いに条件反射で不平の声をあげる子供のように反応してしまいました。だって、彼の行き付けのコーヒー豆やさんはうちから15分ほどかかる最寄りの街の三軒茶屋を越してさらに10分ほどのところにあるのです。
若いころ三宿に住んでいた彼がお気に入りだった「BEANS]というその店は、小さな店内の壁にずらりと豆のボトルが並び、温厚な顔のご主人が日がな一日、香ばしい匂いをさせて豆をブレンドしたり焙煎したりしています。去年、ここへ越して来て10数年ぶりに訪ねたら思い出してくれたと喜んで、近くにも焙煎のお店はあるのにそこを通り越し、時間のある休日には彼は再び懐かしいその店に足を運ぶようになりました。
お豆を買いに行くのはもっぱら彼の担当だけど一度だけ一緒に行ったことがあり、そこだけゆっくり時間が流れているようなお店とご主人のたたずまいは、わたしもとても好きだったから、お買い物に行くのはちっとも嫌じゃなかったけれど、でもね、今日は家にいたい日なんだ。そこまで行ったらわたしのこと、あちこちちらちら寄り道をして、帰って来るころには日が暮れていそう。
でも、なるべく寄り道せずに帰ればいいか、どうせ、銀行やクリーニングやさんには行くんだし、と、午前中の家事とコラムのアップを済ませたあと、意を決して出かけました。ひとりで行くのは初めてだから、ちゃんとお豆を選べるかな?せっかくだから、彼の選択と同じじゃ、つまらないし。などなど、道々思って行ったのは取り越し苦労。以前いただいて美味しいと思ったブレンドの種類や好みを伝えると、すぐにご主人が新しいお薦めを選んでくれました。2種類を100gずつ、スタンプのたまった彼のカードで割り引きしてもらって買って、さらに新しいスタンプカードにスタンプをおまけしてもらい、日の高いうちに意気揚々と引き上げた帰り道。なんだか、やっぱり子供のお使いみたいだな、と自分でおかしくなりました。

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