森文香さんの「言葉」。 |

染織家、森文香さんの作品にはひとつひとつ美しい名前がつけられています。
タチアオイ、麦秋、夜明けの窓,街々の灯、落葉模様…。作品名だけでなくブログのタイトルや文章でも、言葉が丁寧に選ばれているのを感じていたところ、数日前に届いた「galleryらふと」の小冊子「小屋の音」に森さんの文章を見つけました。
数年前「らふと」の季語のワークショップに参加して、季節や自然を綴る日本の言葉の美しさに触れ「言葉を見つけることは、植物の隠れた色を引き出す草木染めに通じるところがある気がして、以来折々に心に留めるように」なったとのこと。
「布の配色を考えるように言葉を選び、文章を綴るように糸を織り込む」。
そうか。と、得心するとともに彼女の心のたおやかさにあらためて感心しました。
森さんの文章の中にあった「季寄せ」の言葉。俳諧の季語を集めて編集したものを言うのですが、なんて風情ある言い回し。心引かれて検索し、もっともわかりやすいとされていた「山本健吉編」のものを早速取り寄せました。鹿の子の箱に布張りの小型本が2冊入った、これもまた趣きある装丁のもの。(ちょっと羊羹みたい,とも思いましたが)。あとで森さんのブログを見たら,彼女の持っているものと一緒でした。折に触れ,頁をめくってみたいと思います。

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