2009年 12月 03日
枯露柿の里へ。 |
染織の武井春香さんの家は山梨県塩山。桃やぶどうだけでなく、枯露柿(ころがき。干し柿のこと)の産地として知られるところです。
家々の軒先におびただしい数の柿が吊られる風景を、昔、父とともに見たという母が懐かしがり、今年、晩秋の塩山を訪ねることにしました。企画展が続いたあとの11月末。紅葉にも少し遅く、枯露柿が吊られる時期もあとわずかというころです。
「もう、家も新しくなってしまったし、枯露柿を作るところも減ったから、昔の風情はないかもしれません」と武井さんが心配したように、柿を吊るす家はまばら。まして、作業が「吊るす」から「干す」段階に入っていたので圧巻の風景はなかったけれど、その代わり見晴らしのいい武井家の干場に登り、作業を目の当たりに見せていただくことができました。
おまけに武井さんのお母さんが大鍋で作ってくださった「ほうとう」のごちそう付き。泣きそうな空が崩れぬ間にと急ぎの作業の最中だったのに。すっかりお手を取らせてと恐縮しつつ、自家製のお野菜やお味噌をたっぷり使ったアツアツのほうとうに、お腹の底までぬくぬくと暖まらせていただきました。
外でいただいてあまり美味しいと感じたことのないほうとうですが、やっぱりおうちでいただくのはひと味違う!ゴロゴロ大きなかぼちゃやさといも、ニンジンとともに、しっかりと平らげました。
樽で漬けた浅漬けの白菜。ボリボリいくらでも食べられます。武井家は、いまはお母さんと春香ちゃんのふたり暮らしだけど「いつも、誰かしら来てるから」樽の白菜があっという間に無くなるそうです。
作業場から臨む風景。
干しているうちに柿から糖分がにじみ出てきます。きらきらと、しずくがきれい。
吊るした柿を揉んで甘みを行き渡らせてから平たく干し、返しながら粉がまんべんなく吹くのを待ちます。こんなに手間隙かかっているなんて知らなかった。枯露柿の値段が高いのも納得です。
6kgの堂々たる体躯の愛猫タマサブロウ。柿の上に飛び乗って怒られました。
武井さんの案内で近所のお家も見学に。
仕事場には「昨日来たばかり」という,お友達から譲り受けた織り機が仲間入りしてました。
これまでより幅広のものも,複雑な技法のものも織れるそうです。たのしみ。
飾り棚は店じまいした近所の駄菓子屋さんから譲り受けたもの。
信玄公のお墓のある恵林寺は、武井家から徒歩の距離。早めに着いたのでお参りしました。
まだ,紅葉もきれいでした。
山を借景とした美しいお庭。
その晩,泊まった八ヶ岳では今年初めて雪景色に遭遇。
そして…
PARTYの2階には、いただいて来た未完成の枯露柿が母の洗濯物と仲良くかかっています。家で食べるなら、まだ柔らかい頃も美味しい。
武井さん、お母さん、ありがとうございました。
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by utsuwa-party
| 2009-12-03 21:41