2009年 10月 06日
大野木工。 |

二戸駅から緑の木立の道をひた走り、30分ほどで大野木工のある洋野町大野にたどり着きます。いまは見渡す限りに牧草地帯が広がる、のどかで雄大な風景のこの地域は、以前は太平洋からの冷たい濃霧で農作物が育たず、出稼ぎに頼らざるをえなかったと言います。
その村で、風土や資源、人の技術を生かしたモノづくりを提唱したのが、当時、東北工業大学の教授だった、工業デザイナー、故・秋岡芳夫さんでした。
そして、「一人一芸の村づくり」のスローガンのもと、1980年、村人の学習の場としての「キャンパス80」がスタート。酪農資源を生かしたチーズ、バター、アイスクリーム等の乳製品や食肉加工品の開発や地元の山林資源を生かした木工品の技術習得が始まりました。
その木工製品は、とりわけ学校給食器の分野で地元から全国へ広まり、いまは北海道から沖縄までの幼稚園や保育園で使われるようになったのです。
大野木工は、ひとつの大きな工房ではなく、大野木工生産グループという、個人の工房の集まりです。今回、案内していただいた中村隆さんは「工房 森の詩」の代表。まずは、その工房を見せていただいた後、いまは観光施設も兼ねる「おおのキャンパス」 を見学に行きました。
酪農地帯の中にあるおおのキャンパスは、広々とした敷地の中に木工房や木工、裂き織り、陶芸などの体験工房、産直にレストラン、動物とのふれあい館、パークゴルフに「健康の湯」、宿泊施設までがあります。けれど、都会のレジャースポットと違い、派手な看板もなければ騒々しいBGMもなく、周囲はひたすら緑が広がるばかり。あまりののどかさにすっかりくつろぎ時間も忘れ、次の目的地がなければいつまでも根っこが映えてしまいそうでした。
じつは,初めはここの宿泊施設に泊めてもらうつもりだったのですが、やはり出遅れ少ない客室はすでに満員。やむなく最終目的地の浄法寺に近い温泉に宿を取ったのです。
けれど、おそらく夜は漆黒の闇と東京よりずっと早い秋の気配と静けさに包まれるこのキャンパスで、作り手の人たちと語りながら過ごすのも楽しかったな、と思い、初めて来たばかりだというのにすでに次の訪問に思いを馳せるわたしでした。

中村隆さん。上の写真が中村さんの工房。
粗彫りの機械は自作。機械だけでなく、ストーブも手作りです。「木工より、こっちの方が好きかも」(笑)。

既成のストーブも、もちろん、中村さんが改造してます。

おおのキャンパスの木工房で、瀧音嘉幸さんと中村さん。キャンパス内で働く瀧音さんが、東京での展示会にいらしていたときに出会い、「こどものうつわ」をお願いしたことから大野木工とのおつきあいが始まりました。

キャンパス内の工房で、瀧音さんのろくろを見学。

おおのキャンパスの食堂あたり。

アイスを食べる大きいこどもたち。時間がゆっくり流れて、このままお昼寝したい気分。「毎日、こんな感じですよ」と瀧音さん。いいなあ。
後ろの建物は産直。新鮮なお野菜、お花、持って帰りた〜〜い。



点在する木工の工房たち。東京はまだ夏の9月。ここでは、すっかりコスモス、ススキ、ナナカマドが赤い実の季節でした。
続く。
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by utsuwa-party
| 2009-10-06 22:09






