白の奥行き。 |

砂田さんの個展の初日。
高速バスが事故で遅れたと汗をかきかき、だいぶ遅刻で現れた砂田さんと、それでも1日、いろいろおしゃべりできました。
造形大学では映画の勉強をしていて、ほんとは映画の仕事を目指していたこと。その頃好きでインドに何度も行ったこと。映画会社に就職できずCM制作会社に入り、忙しくてストレスでからだを壊し、そんなとき、四国で陶芸家と出会い、この仕事ならどこにでも住めるんだと思ったこと。東京を離れ長野に行ったら、具合がすぐ良くなったこと。
陶芸など何もしらずに内弟子に入った桂木一八さんのもとでの厳しくも愉快な日々。兄弟子、上泉秀人さんとのほんとに兄弟のような交流。(じつは、上泉さんの弟さんと砂田さんが同級生だったのですが、弟さんより仲良くなったとのこと)。
また、今回は「しのぎ」で展示会を開くことにして、若干の白磁はあるものの染め付けのない「白い個展」になったのですが、間際になって来てくださるお客さまのため「ほんとに染め付けはなくていいかなあ」と迷っていた砂田さん。でも、白ばかりの店を見て「こういう展示をしてよかった」ととても喜んでくれました。白だけの展示会は、じつは「砂田史上」初めてだそう。
けれど、土も釉薬も何種か使い分けているから微妙に色味や質感が違い、またしのぎも細いものから太いしのぎ、深いしのぎなどなど、それぞれに使う道具もしのぎ方も違う多彩なバリエーションがあり、白の奥行きを感じる展示になりました。
これはぜひ、たくさんの人に見て欲しいなあ、と砂田さん。わたしも本当にそう思います。
上は大振りのしのぎのそば猪口に小皿を乗せたとこ。そうか、ぴったり合うんだ。
そう言えば、昔、砂田さんの染め付けの同柄でこういう組み合わせがあったなあ。「なんか、わざとらしいかなと思って」、今日の終わりになって組み合わせてみせてくれた砂田さんでした。
いえいえ、たのしいです!口の広いそば猪口は、茶わん蒸にも使えるよう意識したということ。


砂田さんは、また28日(日)に来てくれます。
会いにいらしてくださいね!
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