「可愛い」のDNA。 |

市崎美恵子さんの個展が先週末で終わり、今週末からは尾形アツシさんの個展です。
今月は先月末からの中尾さんを入れて個展3回。見事に個性の違う3人でしたが、もちろん好きな作り手ばかりなので、めまぐるしくもわくわくと過ぎてゆく4月です。
持ち味は違っても、色使いや造形に絵画的なたのしさのあった中尾さん、市崎さんと打って変わって、尾形さんはまず土ありき。土の持ち味を最大限に生かすために、どちらかと言うと装飾的な要素を出来る限り削ぎ落とした、いわば焼きものの根っこの部分を行く焼きものです。
それでも土にとっての自然を目指した、無骨になりそうな作品が、溢れるぬくもりとそこはかとない愛らしさを感じさせるのが尾形さんの作家としての持ち味だと思います。
とりわけ、ざっくりとした飯碗の、無垢で愛らしいこと。
などと考えていて思い出したことがあります。
ずいぶん昔、原宿の「zakka」さんで、タイトルは忘れたけれど、オーナーの吉村眸さんも鍋つかみを出された小物ばかりの企画展があったとき、参加していた青木亮さんが言ったことば。「どうも、オレには『可愛い』のDNAがないんだよなあ」。同じ企画に参加されていた小野哲平さんなどにはあるけれどオレにはないと嘆いていたけれど、じつは全然そんなことはなく、青木さんの作る片口や小さいうつわは誰にも真似の出来ない作為のない愛らしさがあって人を魅了していたのでした。もっとも、一番可愛かったのはその人柄かもしれないけれど。
そうか。と思います。尾形さんもきっと「可愛い」のDNAがあるんだな。
明後日には、奈良から届く作品たち。荷物を開けるのが本当にたのしみ。
そうそう、尾形さんも可愛い人柄の人です。土曜日きりの在店日ですので、ぜひ、いらしてくださいね。
PARTYのHPに戻る