2009年 03月 02日
アイタタ。。。 |
「今日、ショックなことがあったんだ」と仕事から帰った相棒が血相変えて訴えました。なになに…?「お弁当箱、洗おうとして」、手が滑って落としてしまったということです。
「床にバウンドしたんだよ。びっくりしちゃった…」。それで底に2カ所もひどい傷が付いてしまったと、見せてもらったお弁当箱の傷は本人の心の傷ほど大きくは見えなかったけど,なるほどこれは修理してもらわなきゃ。
春慶塗のこのお弁当箱は、手塚俊明さんのお兄さんの英明さんの作。6〜7年前、木曽平沢に行った時、英明さんの営むちきりやさん で求めたものです。
たまたま居合わせた英明さんから,あれこれと漆の話を伺い、感銘を受けた相棒が自分で選んだ「はじめての漆器」。以来,気に入って大切に使っていたはずが、手からポロリは彼にとって心臓が止まりそうなショックだったでしょう。
さっそく手塚さんに電話をかけてみると「割れて破片が無くなっちゃったとかではないでしょう」。「はい,漆の部分が小さく剥がれただけなんですが」。じゃあ,問題ないです,と気軽に修理を請け負ってくれました。よかった。
さっそく大切にくるんで、本日、宅急便で木曽へ入院。
じつは,わたしも以前、越前塗りの三段重のふたを落としたことがあり、そのときは息が止まりそうだったけど、修理に出すと数ミリかけた端っこがどこだったかまったくわからないほど、美しく仕上がって来て感動した記憶があります。
お客様に「何かあったら直してもらえますよ」と自信を持って言えるのは、じつは自分の失敗があったから。
だから、お手数をかける手塚さんには申し訳ないけれど、直してもらうということをわたしは少し楽しみにしています。きっと負傷してまたお手間をおかけしたお弁当箱にはさらに愛着が深まると思えるし、じつは退院を迎えに行くという口実でまた平沢を訪ねることを夢見ているわたしです。
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by utsuwa-party
| 2009-03-02 16:53