2009年 02月 15日
二階堂さんのお皿。 |
二階堂さんに初めて会ったのは彼がまだ20代の半ば過ぎだったから,もう5〜6年前になります。個展を開いてもらうことになり,益子の仕事場に訪ねたとき、二階堂さんは益子の土の採取場に連れて行ってくれ、この地元の土で作品を作りたいと思うけれど,なかなかうまく行かないと話してくれていたことを,じつは私はどこかに忘れてしまっていました。
そのころの彼は、焼き上げた表面を削って朽ちたような味わいを出す剥瓷(はくじ)のうつわに取り組んでいましたが、その後,韓国の若い陶芸家たちや知的障害の施設のひとたちなどコラボレーションにエネルギーを注ぎ、その活動は興味深いものであったけれど、ここ数年、わたしには彼自身の仕事が見えなくなっていました。
その二階堂さんの個展のご案内が久しぶりに届いたのは,去年の秋のこと。ちょうど、PARTYでも催しがあり行きそびれ,行った人からはよかったですよ、と評判を聞いて残念がっていたところ,今回の個展の知らせが届いたのです。
会場に並んでいたのは、以前と違うシンプルだけど存在感のあるうつわたちでした。
「ついに益子の土でできました」と開口いちばん,二階堂さんは言いました。「そうなんだ!」瞬時に彼の志を思い出しました。いろいろなものに目を向け取り組みつつも,彼自身はこつこつと自分のめざすものと向かい合っていたのだと、あらためてこの若者を知る思いでした。
益子の土に鉄を塗ったと言うそのうつわを使いこんだときの変化がみたくて、いちばん我が家で出番が多くなりそうな小振りの取り皿を求めました。
同じアイテムのすべてを見せてもらうと「相変わらず揃わなくて」とサイズも色味もまちまちだったけど,彼らしいとどこかホッとして、不揃いの気に入った2枚を選びました。
これからは、個展も多く開いて行くとのこと。たのしみにしたいと思っています。
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by utsuwa-party
| 2009-02-15 21:56