手塚俊明さんの個展に伺いました。 |
板橋の「瑞玉」さん で今日から始まった手塚俊明さんの個展に行ってきました。
わたしが初めて作家さんのお椀を手にしたのが手塚さんのもの、という話は以前書きましたが、そのお椀と出会ったのも瑞玉さん。あれから10数年が経ち、わたしのお椀も艶やかに美しく育ったけれど、手塚さんご自身も着実に新しい境地を開いているようです。
じつは暮れの「漆のお椀展」の際、手塚さんにもお願いしたのですが、この個展を控えているということで叶いませんでした。こつこつと地道に大切に作品作りをされる手塚さんが、これまでグループ展の多かった瑞玉さんの広いギャラリーを埋めるのはなるほど大変なことに違いないと思いましたが、その分、拝見するのをとても楽しみにしていたのです。
手塚さんのお椀類は、ご自身が木地を引いていて、ひとつひとつ微妙にかたち違いなのが魅力ですが、今回、新たに郷里の木曽の木地屋さんに指物、桶物、曲げ物をお願いしたということで、DMには塗りのおひつがあって心引かれました。
現物はやはり美しく存在感があり、塗りだと湿気を吸わないのではと思った内部は拭き漆でちゃんと解決されていました。やはりお値段は張るので今回は手が届きませんでしたが、これからも作り続けられると聞いて安心。(いつ買えるかな?)
色合いも朱や溜などのオーソドックスな物に加え、うるみ、弁柄、黄などといった新鮮な物も多く、もの静かな手塚さんのチャレンジ精神に触れました。
塗り分けられた曲げ物のお弁当箱も素敵だったな。でも、その前にちゃんとお弁当作りが続けられなきゃね。
と、今回はわたしは「いつか欲しい」にとどめましたが、相棒は清水の舞台からジャンプ。豪快な朱の片口を手に入れました。
どれも、手塚さんの人柄そのままに実直でてらいのない佇まい。使うほど、深く心になじむ作品ばかりに思えました。
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