2007年 09月 07日
おひつの風景。 |
今年、曲げわっぱの柴田慶信さんを訪ねた時、話の合間に、ふと柴田さんが思い出したように言いました。
「オレ、近頃思うんだな。おひつっていうのは、お母さんがお膳のそばにおいてお茶碗によそうな。そして、家族に手渡すな。そのとき、お母さんはにっこりするな。それで、家族はほっと安心するのよ」
ほっとして仕事に出かける、ほっとして学校に出かける。また、帰って来てごはんをよそってもらってほっとする。そんな日々のやすらぎ、家の温もりが、ごはんをよそうという動作にあると、おひつを作って40年たったいま、慶信さんはふと、そして、感慨深く気付いたのでしょう。
お母さんが慌ただしくキッチンでジャーからよそう、それぞれが勝手によそって時間差で食卓に付く、ではなく、みんなが揃ってお母さんがよそうごはんを待つ。そんな当たり前でいて、いまは失われた食事の風景をもう一度思い出してねと、おひつが言っているように見えました。
そんな柴田慶信さんのこと 、Dear…のページにアップしました。
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by utsuwa-party
| 2007-09-07 17:00