2006年 10月 17日
秋の収穫。 |
9月中旬に伺った、板橋「瑞玉」さんでの漆のふたり展では、八代淳子さんのこっくりとした朱色の碗。
八代さんはご結婚前の石塚さんだったころ、瑞玉さんを介して出会った若い漆作家さん。たおやかな女性ながら、多くは分業で荒仕事ともいえる生地づくりから一貫して自分でこなす作り手です。漆は塗り重ねるのにさぞ時間がか勝手と言われるけれど、じつは生地のほうがさらに手間ひまかかるんですと、ふたり展の相方である林宏さんと口を揃えて語ります。が、やはりその甲斐あって、ふたりの作品はかたちと色がしっくり馴染み、奇を衒わなくともどこにもない独自の世界を醸しだしています。
淳子さんのいぶし銀のような、独特の色の漆にも心ひかれたけれど、、欲しくなってしまったのはこのほっこりとやさしいかたちの朱のお碗。
ひとつ連れて帰りました。
初めて使ってみたのは、雪乃さんのブログで見たれんこんのすり流し汁。滋味あふれる味わいに朱のお碗はとても合ったけど、今度はごはんものにも使ってみたいかな。
さて、その翌々週。先日ブログにも書いた鶴見宗治さんの谷口晃啓さんのふたり展でいただいて来たのは、小さな猪口とお小皿。
谷口さんは今年4月のPARTYでの個展でトライしてくれたしのぎや面取りに磨きがかかり、お茶碗も猪口もとても魅力的。飲んべえのわたしとしては、これから美味しくなるお酒のために選びに選んで買って来たのですが、帰ってテーブルに乗せてみると、思いのほか、モダンな洋の表情。(モデルが古い不二家のプリンカップだったというのが、いきなり頷けます。でも、モダンだったんですね、昔のカップ)
小さいけれど、オリーブやディップも入れてみたい、愛すべきうつわでした。
鶴見さんの黒い小皿は、彼独特の奥行きのある色とポッテリとした厚み、そして使いやすい深さにひかれ。これは、すぐにでもPARTYのレギュラーに加わって欲しいうつわです。
さて、土鍋の催しが終わり、ちょうど代官山の無垢里さんで個展が始まった田宮亜紀さんに、出品していただいていた残りを返しに伺って、すっかりミイラ取りになってしまったのがこの大鉢。
薪窯の作品ですが、ほとんどが焼き締めの茶色の中にあって、やわらかな存在感を放つ緑が買った灰色のうつわを手に持って「これは?」と聞くと、とりわけ何も手を加えていないのに、灰がかぶってこんなにも美しく複雑な色になったとのこと。かすれた茶色い刷毛目は白い刷毛目だったなどと、あれこれ話を聞くうちに、持った手から離せなくなってしまいました。裏がきれい。そうだよね。などと、見えない部分に感動するのはうつわ好きの不思議なところ。
そんなこんなで、このひと月にわが家に連れて来られたうつわたち。
また、買っちゃった。。。八代さんと鶴見さんと谷口さんはなんとかすんなり食器棚に場所を見つけるけれど、亜紀ちゃんはどこに収まるかな?などと、思案しつつ嬉しさひときわ。我ながら、やっぱりうつわ好きなのね、とつくづく思うのはこんなときです。
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by utsuwa-party
| 2006-10-17 12:38