もう一人、今年初めて参加していただいた高知の長野大輔さん。
1982年生まれと若いですが、大学を卒業後、2006年築窯して以来、薪窯ひとすじ。薪窯にはキャリアのある作り手です。
「以前はうまくいかないことを自分の技術のなさでなく窯のせいにして、一度焚いただけで壊して作り変えたこともある」と、初日の後、みんなで帰ったほろ酔いの道すがら話していたけれど、長野さんの作品を見ているとすっかり窯と気心通じ、その醍醐味を存分に愉しんでいるように思えます。
写真の二つの片口は、奥のものが、まだ窯の火を止める前、温度がピークの時に取り出して急冷した「引き出し」という技法のもの。手前が最後まで窯の中でゆっくり冷ましたもの。
焼きものの色は冷めて行くときに付くものだから、急冷するとあっさり、ゆっくり冷ますとこっくりと深い色になるそうです。
少し潰した形のこの片口は胴に貝の後が付いているように、寝かせて焼いているかので見込みの釉も横に溜まっていて面白い。
粉引き片口 奥 径130×80mm×高さ110mm 11000円
手前 径125×75mm×高さ110mm 11000円
わら灰釉ぐい呑 径75mm×高さ45mm 4400円