八田亨さんの焼締。 |
「毎回足を運んで下さるお客様に何かちょっとでも見せる事ができたらと思い、ずっとやりたかった焼き締めを焼きました。普段作っているものは、素地を作ったあと殆どが化粧泥を掛けます。その事に慣れ過ぎたのか、化粧も釉薬も掛けない「焼き締め」は言わば裸んぼう同然でちょっと恥ずかしくもありました。今回は窯の二箇所に焔が流れないところがありそこに入れました。何回か土見せでいい色が出てたので期待していました。しかし、窯詰の際、魔がさしてもっと良くなるような気がして火盾を入れる筈の処を外してしまいました。(よくある事です…)そのせいで、てからせてしまい失敗ですが、これで呑んでみたいなと思えたモノを出展しました。酒をいっぱい呑ませて育てて下さると幸いです。」
こんなメッセージとともに届いた八田亨さんの焼締は、火盾を外して灰がたっぷり被ったためか、黒、緑、茶と複雑な色が出て、まるで釉薬をかけたよう。
初日来られなくなった八田さんとの電話のやりとりで「本当に焼締?」と念を押してしまうほど、その概念を変える景色です。
片口はこの漆黒に近いものから、塩釉をかけたような個性的な肌のもの、また私たちが思い浮かべる焼締に近いものまで幅広く。
八田さんの渾身の作品にぜひ会いにいらしていただけたらと思います。
片口 径160(口まで入れて185)×125mm×高さ85mm 6600円
ぐい呑 径75mm×高さ40mm 3850円