2019年 06月 07日
初参加のふたりを訪ねて。 |
4月初め。
土岐市へ、梅本勇さん、竹下努さんを訪ねました。
PARTYの企画展に初めて参加してもらう若い作家さん、ふたりです。
梅本さんは徳島出身。
学校を出て建築を志したものの、縁あってなぜかスロバキアの美術大学に留学。
そこで出会った陶芸に興味を持ち、帰国後、瀬戸の窯業学校に学び、土岐市で独立します。
初めはオブジェなど作っていたものの、無限に広がりを持つ釉薬に魅せられ、その美しさを生かすシンプルなかたちのうつわを作るようになったと言います。
梅本さんの仕事場は、いまは使われなくなった製陶所です。
その大きな建物は何人かでシェアされていてたくさんの窯があったけれど、梅本さん以外は趣味の陶芸家らしく、ときおり姿をあらわすものの、たいていは彼ひとり。ガランとした空間は、日が暮れたらちょっと怖そうです。
精製されていない粗い原料を使ったり、不安定な調合をしたり、実験をたのしんでいるという釉薬。
その上、ガス窯還元、電気窯還元、電気窯酸化など、焼き方もいまは9パターンぐらい。2度焼き、3度焼きしているものもあるというから、その色のバリエーションは無限大。2度と出会えないものも少なくなく、そこが梅本さんのうつわの魅力でもあります。
見学に連れて行ってもらった熊谷陶料。
かなりマニアックな土や釉を扱うここは、梅本さんにとってたぶんワンダーランド。
面識のなかったふたりですが、梅本さんにクルマで送ってもらいがてら一緒にお昼を食べ、竹下さんの仕事場へ。
こちらは、古い家屋を改造して住まいと仕事場に。
入ると整頓されたスタイリッシュな空間です。
竹下さんは長野生まれ。
中学時代の先生の影響で陶芸の道に進み、多治見工業高校専攻科へ。
窯元での仕事を経て、2015年に独立しました。
中国や朝鮮の焼きものに傾倒しつつ、いまの暮らしに寄り添ううつわをめざす竹下さん。
灰の多く混ざった釉薬を使ったり、窯の炎を敢えて安定させずに焼いて、同じ土や釉であってもひとつひとつ違う表情を醸し出すのがこだわりのひとつ。
だから竹下さんの白磁は、ときに土物のような暖かさが感じられます。
つねに試行錯誤のふたり。
竹下さんの窯を窯を見学しながら熱心な会話。
そんな二人に参加してもらう「夏の小鉢展」。
明日からです。
by utsuwa-party
| 2019-06-07 22:51