昨日、ご紹介した長谷川奈津さんの酒器に追加二つ。
りんご灰の片口です。
長谷川さんのりんご灰といえば、グレー、そして、ピンク、ほのかにピンクの白っぽい色のイメージが強いと思いますが、このところのものは淡く美しいグリーン。グリーンというか淡いブルーグリーン。
りんご灰釉のいろいろな表情は、以前は偶然性に負うところが大きかったけれど、最近はどんな色味を出したいかコントロールしているとのことです。
この色、上品で明るくてお酒を入れるととてもきれいだと思いますし、わたしは普通、酒器を盛り鉢として使わないけれど、ちょっと青いおひたしなど盛ってみたくなりました。
口が広くて、よりうつわとして使いたくなるかたちのりんご灰釉片口。
径165(口まで入れて)×140×高さ65mm 6480円
小ぶりで丸い、なんとも愛らしいりんご灰釉片口とぐいのみ。
片口 径140(口まで入れて)×110×高さ65mm 5400円、ぐいのみ 径67×高さ38mm 4320円
余談ですが、もうおそらく20年ぐらい前から実家で使っている長谷川奈津さんの粉引の飯碗。
いまとは違うこの粉引の質感が好きで愛用していますが、この前、もうひとついつも使っていた飯碗を欠いて、家から小ぶりのなっちゃんの飯碗を持ってきました。こちらももうずいぶん前のもので大好きなですが、時代によって粉引もずいぶん変化していることがわかります。
今回、初期のぐい呑もいろいろ出してくれた長谷川さんですが、いまのなっちゃんと違うテイストのものばかり。時折、師匠の青木亮さんか?と見紛うものもありましたし、男っぽい八田亨さんや高田谷将宏さんと並べて溶け込むものもありました。そんな中のひとつを手にして迷うお客さまに、村木さん。「買っといた方がいいよ、昔には戻れないから」。
たしかに、キャリアを積んで洗練され、落ち着きを増し、スタイルは確立されて行きますが、若い頃の拙さゆえの愛らしさ、近道を知らない紆余曲折の面白さ、やる気先行の勢いとか、失われるものも多いから、初めの頃の作品は唯一無二の魅力を放って心を捉えたりします。