真鶴の大隈美佳さんのお宅にて。 |

10月の初め、真鶴に大隈美佳さんを訪ねました。
10年ほど前に移り住んだという住まい兼工房は、真鶴の駅からひたすら坂を上った高台にあり、まわりはみかん畑だらけ。美佳さんの家の前には木立があって隙間から海を臨むロケーションですが、ほんの少し歩けば三浦半島、初島、大島、伊豆半島を見渡す絶景が広がっています。






いまはふたりの男の子のお母さんである美佳さんですが、お子さんができる前、西川さんと一緒にスペイン、アフリカ、中東など放浪した時期があります。スリリングなことも多かったという旅の中で、手に入れたたくさんの大好きな布や小物が、いまも西川家の暮らしを彩っています。




そのプリミティブな文化に引かれる心が、西川さん、大隈さん、それぞれ作風は違っても、作品に現れて、ほかの誰とも違う独自の世界を作っているのだと思います。
美佳さんの家を訪ねる大きなたのしみは、美佳さんをアシスタントに、西川さんが腕を振るってくれるお料理。この日は腰痛と言いながら、真鶴ならではのおいしいアジを使ったパスタを作ってくれました。アクセントのシソのペーストは美佳さんが保存食として作っておいたもの。パンは、今年小田原の高校に入学した息子クンに学校帰りに買って来てもらうそう。



つくるのも共同作業なら、うつわも然り。西川さんと美佳さんの作品が調和してそれは素敵な食卓に。もちろんパスタは絶品。サラダも、パンも何もかもがおいしく、窓の外の緑と相まって、うっとり幸せな気分になります。
個展の打ち合わせをして、名残惜しく西川家にさよならしたあと、駅まで送ってくれがてら、美佳さんが原生林の残る真鶴半島の先まで案内してくれました。
豊かな自然の中の工房から、やってくるクマやワニやネコやウサギや、いろいろな草花のうつわたち。
ぜひぜひ、会いにいらしてくださいね!

