さよみちゃんの失踪。 |
わたしと相棒に似てるからと、ふたつもらったフェルトの指人形。嬉しくて、テーブルにおいて、毎日ほのぼの眺めてごはんしてたのに、鎌倉から戻って、引き上げて来た膨大な荷物と格闘して、ようやく一段落してふと見たら、仲良く並んでいたはずの人形の「さよみちゃんがいない!」
そう、わたしの指人形が消えていたのです。
テーブルの下を覗いても、家具の隙間を広げてみても「いない…」
そこへ帰って来た相棒に泣きそうになって「いなくなった」と訴えたら「うそ!家出した?」と驚いて、二人で再び捜索したけど、広くない部屋のこと、どこかに隠れてるはずもなく、おそらく荷物片付けのどさくさにゴミの中にでもぽとりと落ちて、そのまま行ってしまったにちがいないと思うと、心が痛んで落ち込むばかり。
だけど、ひとり残った相棒人形があまりにさびしそうなので、矢崎さんにお詫びして、また作ってもらうよう頼んでみることにしました。
「ごめんなさい」。平身低頭のわたしのメールに、やさしい矢崎さん。
「トントン、あ、誰か来た、なんだ、さよみちゃんじゃない、お家に帰らなきゃダメでしょう」と、お散歩に来たことにして、また作ってくれることになったのでした。
あ〜、よかった。無くしたお人形さんにはほんとにほんとにごめんねだけど、相棒人形と3人で鎌倉までお散歩に行っちゃった「さよみちゃん」の帰りを心安らかに待つことにします。
