2015年 03月 06日
鞆の浦へ。 |

「鞆の浦って良さそうだね」と母に言うと、岡山がルーツの彼女は昔々、2度ほど訪ねたことがあると言う。祖父母が生きているころだから、もうすいぶん前だけど、いいところだった覚えがある。行くなら瀬戸内の幸が美味しい春だね、と、漠然と思っていたら、母のもとに届いた旅行会社のツアーの案内に、そのホテルの入ったプランがあって、鞆の浦だけでなく瀬戸内の島々を巡って、わたしは行ったことのない松山の道後温泉まで行くというので、渡りに舟と出かけることにしたのでした。
新幹線で岡山まで。貸し切りバスで倉敷、大原美術館を見学したあと鞆の浦へ。
次第にひなびる景色を眺めつつ、海にたどり着くと、まさに写真で見たのどかな島々の風景が。
その瞬間、なんていいところだろうと、ため息ついてしまいます。
瀬戸内のほぼ真ん中の鞆の浦はここを境に潮流が逆転するため、瀬戸内海を航海する船にとって「潮待ちの港」とし万葉の昔から知られるところだったそうです。旧い町並みや港のかたちがいまも残り、江戸時代の港湾施設がすべて現存しているのは、全国でここだけとのこと。江戸時代に描かれた街路もそのままで、当時の絵地図がそのまま通用するそうですから驚きです。
また、坂本龍馬の率いるいろは丸が紀州の軍艦とぶつかって沈没した際「賠償交渉」の舞台となったのもこの鞆の浦で、ゆかりの建物などが町のあちらこちらに残っています。


さらに宮崎駿監督がポニョの構想を練ったのもこの町で、崖の上の宗介君のお家の場所やらモデルになった家まで見られますし、いま放送中の「流星ワゴン」のロケ地もこことのこと。ずっと観てたのに気付かなかった!泊まった翌日、ボランティアガイドのおじさんに連れられて歩くと、確かに「忠さん」の家だ!親父とケンカした息子が姿を隠した灯台だ!


そんなこんなを何も知らずに出かけたのですが、昔の面影を残す路地は面白く、風景はあくまでのどかで時間の流れがゆるやかに感じられ、しかもさまざまな歴史やエピソードに彩られながら、町はちっとも浮かれず、いま風になることもなく、淡々と日々を営み続けていることに、妙に感動し愛着を覚えてしまいました。


1時間あまりの散策は、ガイドのおじさんのおしゃべりもたのしく充実していたけれど、今度はまたゆっくり一日、この町で過ごしてみたいなと再訪を心に決めて、愛おしい港の町をあとにしたことでした。

ガイドさん、ありがとう。

ちょうどひな祭りのころで、家々がおひなさまを公開していました。

by utsuwa-party
| 2015-03-06 18:23






