2013年 11月 12日
野尻湖へ。 |
週末、お休みをいただいて相棒と信州に行って来ました。
わたしが基本、土曜が休みではないし、日曜はそれぞれ一人暮らしの母(どちらも80代半ば過ぎなので)と過ごすことにしているので、土日、二人で過ごすことはほとんどありません。が、たまにはと、年に1〜2度、わたしが無理矢理プランを立てて相棒を旅に引っ張り出します。
今回は、若い頃、訪ねて以来、好きな野尻湖の「ホテル エルボスコ」へ。
長野と新潟上越の県境に位置する妙高、赤倉、野尻湖一帯は、リゾート地でありながら、東京からかなりの距離のせいか、取り立ててお洒落になることもなく、ゆたかな自然とひなびた風景が昔と変わらぬ姿で広がってホッとさせてくれるエリアです。
以前は、プリンスホテルだった「エルボスコ」は、野尻湖の遊覧船などが出る賑やか(といっても、ひっそり静かなのですが)な場所と反対側にある、対向車が来ないことを祈るばかりの細い山道を通って行く場所にあり、湖に突き出た建物の、大きく取ったどの窓にも深い木立がひろがって、その圧倒的な景色で忘れられない場所になっていました。
温泉もなく、夕方、クルマを20分ほども走らせ近くの立寄り湯まで送迎してくれるという、少し不便もあるホテルだけれど、部屋にいるだけでやすらぐ景色と静けさと、地産地消を大切にしたどこか素朴で心のこもったフレンチが好きで、母と何度か訪れていたのですが、今回は毎年、開催されているC.W.ニコルさんとのシェフのコラボの「秋の収穫祭」が、PARTYの企画展とも重ならず、なんとか行けそうだったので予約を取り、相棒には中身をサプライズにして日程だけ開けてもらい、たのしみに出かけたのでした。
土曜日の朝早く出て、少し混んだ関越から上信越道へ。走るほどに紅葉が深まってため息の出る風景がひろがります。途中、軽井沢に寄って千住博美術館、脇田美術館に寄り、中軽井沢でおそばを食べ、再び上信越道で妙高まで。チェックインに少し早かったので、妙高中腹の赤倉観光ホテルでコーヒーを飲み、ちょっと引き返して野尻湖へ。
部屋やライブラリーのコーナーでしばしのんびりしたあと、温泉に連れて行ってもらい、帰って慌ただしく収穫祭のディナーに。
来日して50年、黒姫に住んで20数年。荒れた森の再生に取り組むニコルさんの話はときにユーモアにあふれ、ときに深く考えさせられるものでした。
とりわけ、いま、おびただしく繁殖し作物に多大な被害をもたらしている鹿について。日本では、鹿を食べる習慣が根付いていないために、年に何十万頭も捕獲された鹿が捨てられている現状。共存のための捕獲はやむを得ないのであれば、その命は大切にいただこう。鹿肉は鉄分が多く、とても栄養価の高いものだけれど、鉄分が多いゆえにした処理が悪いと臭みが出る。が、しっかりとした処理した肉は、まったく臭みなく美味しいのだから日本人はもっと鹿を食べるべきだ…ということで、この日のメインのお肉はもちろん鹿。正しく処理された美しい赤みのこの日のお肉は確かに美味しかったけど、そのボリュームは、オードブルから始まってたくさん秋の味覚尽くしのご馳走をいただいたお腹にはかなりヘビー。
食後には大きなパイまで現れて、あえなくギブアップの私たちだったけど、ニコルさん、そして尾澤シェフによる食材の話を伺いつつ、また、シェフの盛りつけを見つつのディナーは、興味深く楽しく、新鮮な里の幸はより美味しく、心に残るひとときになりました。
翌日は、厚い雲にときどき雨のお天気だったけど、朝は散策を満喫し、おいしい朝ご飯をいただいて、明日からよしまた頑張るぞ!と、エネルギーをもらって帰った信州への旅でした。
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by utsuwa-party
| 2013-11-12 15:54