一関へ。 |
何年ぶりかに山菜採りに連れて行ってもらおうとしていた矢先の震災で、この時期、遊びに行くのはためらわれたけれど、内陸で大きな被害はなかったとはいえ、度重なる大きな余震におおらかで陽気な家族もさすがに滅入る思いをしている様子。やっぱり行こう!というわけで、決行となりました。
GW初日。まして今年は救援のクルマもいることだから、混んでいるかとは思っていたけれど、首都高に入ったとたん想像を超える渋滞です。どこまで行っても断続的に流れが止まり、東北へ向かうパトカー軍団も救援物資のトラックもボランティアのバスも一律巻き込まれているのを見ると「遊び組」としては心苦しい限り。
東北道は津波の被災地は通過しませんが、北に向かうにつれ道路は波打ち痛々しい修復のあと。ところどころ亀裂も残ります。
いつのまにか沿岸に向かう人々が別れて、一関が近づく頃にはクルマもまばら。朝の出発からいつもは5〜6時間で着く距離を11時間あまりかかって到着。日がとっぷりと暮れていました。
かつて大きな農家だったらしいその家は、いまは年取ったお母さんとわたしより少し年上の娘さんの二人暮らし。連休ともなると、仙台に住むその弟が帰ってきて、山遊びとその収穫を肴の宴目当てに集まる輩をもてなしてくれます。だれもが来たとたん、自分の田舎に帰ってきたような気になって、我が物顔に振る舞ってしまう。そんな家。励ましに来たつもりが、着いたとたん、やっぱりこちらが癒されてる有り様。
翌日は、たくさんのおむすびを持って山へ。
「『こごみ』のスゴいところがあってさ」。山菜やらきのこやらのポイントをいっぱい知っていて、いつも連れて行ってくれるこの家の大将「りんちゃん」。

せせらぎを越え、運動不足の息を切らせて薮を登り

カタクリの花に心和ませつつ行くと

やがてこごみの群生地。

アップにするとこんな具合。
100mほどの間に見渡す限りこごみこごみ。
後のために少しずつ残しつつ、それでもまたたく間にレジバッグ3杯のこごみの収穫。

道々では、土に潜った山ウドの新芽を収穫。

どうやって見つけるかというと「くの字に曲がった枯れ枝が目印。」それをみつけて下を掘ると…

あったあった。
せっかく息を潜めて隠れているのに掘ってしまうなんて心が痛いけど「これがうまいんだ」。
柔らかく、皮ごとスライスして天ぷらにするとほんとに美味しい。


川っぷちには、まだふきのとうもちらほらあるけど、だれも気にしない。

つくしも、歓声を上げるのはわたしだけ。

川にはクレソンが群生。
瑞々しくて柔らかく、噛むとほのかな甘み。美味しい!

まだ、春浅く、まだかと思ったたらの芽もりんちゃんにかかれば隠れようもなく、雨のポチポチきだした帰り道、おもむろにたらの芽取りに没頭する男性群。

お〜〜い、りんちゃんどこまで行くのだ。

相棒も負けじとがんばる。もちろん負けるけど。

結局、かなりの収穫。

まだ早いけど、ワラビも少し採れました。
好きなコシアブラはまだらしい。

帰るとビール飲み飲み大量のこごみの仕分けです。
夜の宴会で食べる分、家に持って帰る分、お土産にする分…。黙々といつ終わるとも知れない作業をしているとキッチンから、山菜料理の達人のりちゃんの包丁の音、何かコトコト煮える臭い…。ごっくん。

「これが一番、美味しい食べ方。」さっと茹でて、ごま油、塩こしょう、醤油ひとたらし。
ほんと、いくらでも食べられちゃう!

売るんかい?でも、これはほんの一部。

先にお風呂入っていいよ〜〜と言われてからだを延ばしているうちに、最初のお料理はほぼ残骸。
でも、これから延々、シェフが入れ替わり立ち替わり、美味しいものが登場しました。

これは、前日の深夜のそば打ち。お酒の〆、酔っぱらいつつ食べたおそばのおいしかったこと。
山遊び好きは料理好き。りんちゃんの仲間の彼は翌日はこごみのパスタとたらの芽の天ぷらを作ってくれました。

あっという間に2泊3日の最終日。東北の恵みに感謝を混めて、男の人たちは近くの神社の倒れた灯籠の修復に。山ひとつ超えた先には、被災した地域が広がっていると思うと心が痛み、何か役に立ちたいという思いが募ります。

ずれたお堂の柱も直しました。

東北は春たけなわ。

近くの厳美渓はサクラが美しく。

土手には水仙の群生。
元気づけるつもりが案の定、元気をもらって帰って来た東北の旅。
沿岸の地域にも、一日も早く元気が戻ることを祈ります。
東北に行くことを自粛せず、東北でお金を使って来てねと、東北出身の人に言われたけれど、ちっとも使う場面がなかったので、立ち寄った道の駅でお米を、サービスエリアで牛タンと笹かま買ってきました。微力すぎてごめんなさい。
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