尾形アツシさん。 |

それと同じようなサイズの刷毛目が、搬入日に届きました。
でも、あれ?最初のは8400円。あとのは5250円の値札が付いてます。
3150円も違うんですが…。間違い?と、尾形さんに電話すると「あ、あれ。あとのは値段下げちゃったんだな」。
最初のは写真手前の柔らかい色。後ろの、黒く光ったのが後から来たもの。
「テカっちゃって、狙ったところと違って不本意だったから…」。そうか。じゃあ、そのままの値段で出しますね。
でも、尾形さんの狙いは別として、わたしは嫌いじゃないです、この「テカったの」。グッと締まった感じで力強くオトコっぽくて、尾形さんらしくていいと思います。
以前もそんなことがありました。尾形さんの「うつわ楓」での個展のとき。小さな素敵なふたものに、ふたものと思えないお買い得価格が付いていて、オーナーの島田さんに聞いてみると「ふたがきちんと合わないからって言うんです」。でもね〜〜、このくらい気にならないですよね。だって尾形さんのうつわ、いつももっとざっくりアバウトで、定番のお皿も深さ、大きさ、色味もまちまちだって気にしない。飯碗の口がひび割れてたって、全体が良ければよし。
そこが尾形さんらしさと、みんな全然気にしてないのに。
「フタがきちんと合わない」。そのピンポイントのこだわりが微笑ましくもあったのでした。
目指すところあってモノづくりをしているから、かたちになったとき、作り手にとって許せるもの許せないものがあるのはあたりまえ。でも、それが必ずし第三者の評価と同じでないのが面白いところ。
伊豆の村木さんのところへ行くと、工房の周りの地面にうつわがごろごろ。村木さん、これ、捨ててあるんですか?そう、気に入らなかったから。…え〜〜、そうですか?いいと思うけどな。というわけで許可をもらって拾ってきたものがうちにはいくつも。村木さんに嫌われた部分が少しわかるもの、全然わからないもの。いずれにしても、どれも我が家では愛着を持って使っています。
尾形さんのふたつの片口。あなたはどちらが好きですか?

土っぽく力強いのに、どれもがどことなく優しい表情をしている尾形さんのうつわたち。

右もぐい吞み。大きくてちょっと茶碗酒の風情だけど、これまたなんとやさしい色あい。

黒い線がダイナミックに入った焼き締め注器。原土に固まって入っていた鉄分が溶けて釉薬化して流れたものだそう。自然が作ったデザインです。
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