2010年 10月 22日
永遠のゼロ。 |
時々家を少し早めに出て循環バスの遠回りに乗るのは座りたいからもあるけれど、本を読みたいからでもあります。
このところ、その頻度が高かったのはこの本を読んでいたから。
長く電車に乗る予定があった日に、駅前の本屋で平積みになっていて持って歩くには厚かったけど、思わず惹かれて買ってしまったら、あとはすっかり没頭でした。
日頃、敢えて読むことのない戦争の話。天才的な技術を持った零戦の搭乗員でありながら、生きて家族のもとに帰ることを切望し、かなわなかったひとりの男の生き様を通し、太平洋戦争の真実を、その時代の軍部の狂気を、むなしく散った多くの命の尊さを描き、改めて戦争の愚かさ、虚しさを伝えてくれる作品でした。
終戦を間近にして無意味な特攻に送られた搭乗員の多くが前途ある学生であったということが、この夏訪ねた戦没画学生の美術館「無言館」とオーバーラップして、いまさらながらの憤りを感じました。
改めていまの時代に在るありがたさを思うとともに、漫然と過ごしがちな日々を振り返り恥ずかしくもあり…。
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by utsuwa-party
| 2010-10-22 16:05