伊藤さんに教わったこと。 |
伊藤さんがいてくれた2日間に、いろいろなことを教わりました。
上の写真のピッチャー他、今回たくさんの作品に見られる新しいシックなブルーは、これまで使っていた「ニールズヤード 」などのビンのパキッとした色に「サントリーオールド」の黒(正確には、深い深いグリーンだそうです)、そして透明のガラスを混ぜて作るそう。また、はじけるように爽やかなグリーンは、昔の三ツ矢サイダーのビン。同じ三ツ矢サイダーでも、古いビンは色がまちまちだそうですが、それを混ぜて溶かしてこの色をつくるそうです。「そんな古いビン、どこで手に入れるんですか?」「田舎だと、けっこうあるんです」。
すべてリサイクルガラスだった伊藤さんですが、今回、このコップは買ったガラスで作ったとのこと。
安土忠久さんや前田一郎さんと同じもので、リサイクルガラスは固まるのが早いのですが、これは柔らかくてとても扱いやすいそうです。それでか、このグラスは伊藤さんの作品の中では薄くて繊細。
日常の中で、何げなく使っていた伊藤さんの片口ですが、今回、注ぎ口の水キレの良さに対する、伊藤さんの並々ならぬこだわりを知りました。口の先端に一滴溜まって、こぼれ落ちてしまうのはいまいち。溜まったものが内側に戻るのが理想的。研究を重ねて、中心に細い溝をつけたこの繊細な口のかたちになりましたが、でも、まだ全部は合格じゃないと言います。
伊藤さんのハードルは高いけれど、わたしが試してみたところでは、どれもすごくキレがよくて「合格!」なんですが。。
この素敵なガラスの泡は「大根」で作るんですって!大根を鉄の棒の先に付けて、溶けたガラスの中に突っ込むとぶくぶくと泡が出て、それで作るとこうなるそうです。
本来はガラスの中に溜まった泡を、大きな泡を作ることで一緒にはじけさせて取り除いてしまうための技法だそうですが、その途中の段階を生かしたことで新しい表情の泡ガラスができたのです。
もちろん、色は大根のものでなく最初からグリーンのガラス。今回、この手法で作られたのはピッチャー2個だけ。当然というか、すぐに出てしまいました。
きっとボウルなどにしても素敵だから、今後、シリーズ化される可能性あり。
その他、etc…。今回も勉強になりました。
そうそう、伊藤さんのガラスを使っている表参道のブラウンライスカフェのHPで、伊藤さんの個展のご紹介をしていただいています。(いつもありがとうございます。)
爽やかな風の通る空間で、からだにやさしいごはんがいただけるお店です。ぜひお立ち寄りくださいね。
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