2004年 09月 10日
須田二郎さんのスプーン。 |
「木工をやってる須田と言います」と、電話をくれるとき、いつも須田さんはそう言います。何度もお会いしているし、声と名前を聞けばわかるのに必ずそう名のるので、電話を受けながらなんだかおかしくなってしまいます。
須田さんは「森林ボランティア」で木を伐採している「木こり」さんでもあります。ときどきは、生い茂ったお家の木を切るのも頼まれたり。そうしているうちに、切った木がもったいないなと思ったのが、木工を始めるきっかけだったそうです。
だから、須田さんの使う木は、ときには「ウイスキー樽」のように仕入れるものもありますが、おおかたは切り落とした木なものだから種類はさまざま。
同じスプーンでも色や質感もまちまちで、それがまた面白いところです。
家具など作る作家さんは、木が歪むのを防ぐため何年も寝かして乾かすけれど、須田さんの木は切って間もないからお皿などは歪むこともあります。
「そうしたときは、新しいのとお取り替えします」と、ひょうひょうとした表情で須田さんは言います。え〜?いいんですか〜?と、びっくりしてしまいます。
なんだか須田さんと話していると、肩の力がふわふわと抜けてしまうのです。
須田さんは木工家になる前は、お百姓さんをやっていました。お百姓さんの前はパン屋さんでした。あるとき須田さんが来たときに、オーブンから出したてのクッキーが天板に乗せたままおいてあったら「早く網の上に出して乾かした方がいいです」と注意されました。そのクッキーを食べてもらったら「ちょっと紅茶の粉でも入れると、味が引き締まりますよ」とアドバイスくれました。
「パン屋さんも夢のある仕事ですよねえ」とつぶやくと「パン屋さんは長生きしないんです」と須田さんは言いました。いまはパンの流行の移り変わりが激しいから、パン屋さんは研究や勉強や設備投資が大変で、みんな過労になってしまうんだそうです。なるほど、須田さんには人と競争したり、夜も昼もなく働くのは似合わないような気がします。
そういうわけで、須田さんはここしばらく木工家です。だんだんあちこちで引っ張りだこになって、須田さんも木のものづくりがたのしそうなので、もうずっと木工家さんかも知れません。
そうそう、その須田さんがきのうスプーンを持って来てくれました。
コーヒーの粉やシュガーをすくうのにぴったりの小さいスコップ。
温かな飲み物をかき混ぜるとほのかに香るウイスキー樽のスプーン。
次はパスタに良いフォークと、パンや果物やサラダを入れるボウルをつくってくださいねとお願いしておきました。また来月ぐらい「木工をやっている須田と言います」と、お電話をもらえるかな?
須田さんは「森林ボランティア」で木を伐採している「木こり」さんでもあります。ときどきは、生い茂ったお家の木を切るのも頼まれたり。そうしているうちに、切った木がもったいないなと思ったのが、木工を始めるきっかけだったそうです。
だから、須田さんの使う木は、ときには「ウイスキー樽」のように仕入れるものもありますが、おおかたは切り落とした木なものだから種類はさまざま。
同じスプーンでも色や質感もまちまちで、それがまた面白いところです。
家具など作る作家さんは、木が歪むのを防ぐため何年も寝かして乾かすけれど、須田さんの木は切って間もないからお皿などは歪むこともあります。
「そうしたときは、新しいのとお取り替えします」と、ひょうひょうとした表情で須田さんは言います。え〜?いいんですか〜?と、びっくりしてしまいます。
なんだか須田さんと話していると、肩の力がふわふわと抜けてしまうのです。
須田さんは木工家になる前は、お百姓さんをやっていました。お百姓さんの前はパン屋さんでした。あるとき須田さんが来たときに、オーブンから出したてのクッキーが天板に乗せたままおいてあったら「早く網の上に出して乾かした方がいいです」と注意されました。そのクッキーを食べてもらったら「ちょっと紅茶の粉でも入れると、味が引き締まりますよ」とアドバイスくれました。
「パン屋さんも夢のある仕事ですよねえ」とつぶやくと「パン屋さんは長生きしないんです」と須田さんは言いました。いまはパンの流行の移り変わりが激しいから、パン屋さんは研究や勉強や設備投資が大変で、みんな過労になってしまうんだそうです。なるほど、須田さんには人と競争したり、夜も昼もなく働くのは似合わないような気がします。
そういうわけで、須田さんはここしばらく木工家です。だんだんあちこちで引っ張りだこになって、須田さんも木のものづくりがたのしそうなので、もうずっと木工家さんかも知れません。
そうそう、その須田さんがきのうスプーンを持って来てくれました。
コーヒーの粉やシュガーをすくうのにぴったりの小さいスコップ。
温かな飲み物をかき混ぜるとほのかに香るウイスキー樽のスプーン。
次はパスタに良いフォークと、パンや果物やサラダを入れるボウルをつくってくださいねとお願いしておきました。また来月ぐらい「木工をやっている須田と言います」と、お電話をもらえるかな?
by utsuwa-party
| 2004-09-10 15:37