二階堂さんとやまなみ工房のお皿たち。 |
毎年、ゴールデンウイークには益子、笠間の陶器市に行きます。
新しい作り手との出会いの期待もあるけれど、よりたのしみなのは顔見知りの作家さんとも会えること。
益子に住む二階堂明弘さんは、まだ20代の若い作家さんですが、もうかれこれ長いおつきあいになります。以前、PARTYで個展を開いてもらったこともあるけれど、ここ数年は日常使ううつわというより、かなり実験的な作品に挑んだり、また韓国の若い陶芸家たちとの交流に力を注いでいるため、店として関わりは少なくなりました。
それでも毎年の陶器市の時期、自分の作品を売ることもそっちのけで、韓国の人たちを招いてのワークショップに奔走していたりする二階堂さんが興味深く、相棒ともども、広い益子の会場で彼の姿を探すともなく探してしまうここ数年でした。
そして、今年もまた「二階堂さん、何やってるかな?」と探し当てたとき、彼が店開きして並べていたのが「やまなみ工房」とのコラボでできたうつわたちでした。
荒削りで「美しい」とは言えないけれど、お皿から飛び出すほどのエネルギーのある色とりどりの作品たち。あれもいい、これも面白いと嬉しくなって、迷いに迷い1枚を選び買って来ました。思えば、選ぶことがあれほど無邪気にたのしかったこともない気がします。
それからしばらくして、二階堂さんから電話がありました。
「坂根さん、お地蔵さんをお店の片隅においてくれませんか?」
やまなみ工房でつくっている小さな土のお地蔵さん。それをPARTYで、ということでした。でも、わたしはとっさに「それよりお皿がいいな」と答えました。
だって、やっぱり使えるものが好きですから。
あんな天真爛漫なお皿たちが、店いっぱいに並んだらどんなにたのしいだろう。そんな思いがよぎりました。けれど、今年の秋からは個展がめじろ押し。店の空きがありません。それで「8月でもいいかな?」と、急転直下、話が決まりました。
初めは思いつきだったけど、やりとりをするうちに、彼がこのやまなみ工房との試みで受けた感動や衝撃が伝わり次第に熱がこもり、できるだけ多くの人に見ていただきたいとの思いがつのりました。制作段階から参加できなかったけれど、SUPER BIRDから、制作風景のおびただしい画像を送ってもらいました。文字どおり、のめり込むようにお皿と取り組むやまなみの人たち。次第に、お皿が微笑ましく、また愛おしいものに感じるようになりました。
会期も真際になったある日、思い立って二階堂さんに依頼しました。
「二階堂さんの思いを文章にしてみて」。やっぱり第三者のわたしでは伝わらないことがあると思ったのです。
最初はたじろいだ二階堂さんが、今日の搬入日、「3日かかりました」と、長い素敵な
文章を書いて来てくれました。
HPのTOPPAGEにご紹介します。
そして、暑いですが、ぜひぜひ元気なお皿たちに会いにいらしてくださいね。
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