長谷川奈津さんのお皿。 |
「さかねさん、わたしがお皿作れないって知っているのに…」と、首を傾げて笑う長谷川なっちゃん。
取り皿展への参加をお願いしたあとの会話です。
「え?そうだっけ」。
なっちゃんとは、もう17~8年ものおつきあい。でも、お皿の作れない作家さんという認識はなかった。確かに碗や鉢、それに壷、最近では酒器に本領発揮のなっちゃんではあったけれど…。
でも、わたし、なっちゃんのお皿、使ってるよ。6寸ぐらいの粉引きのリム皿。使いやすくて愛用してる。それに酒器展にいつも出してくれる豆皿は素敵だし。
「う〜ん、でもやっぱりお皿は難しい。鉢になっちゃってもいいですか?」
そう言えば彼女は、わたしにとってはお皿に見えるうつわでも、少し深さのあるうつわは鉢と呼びます。
径と深さのバランスの、どこから鉢でどこまでがお皿か、なんて定義はないから、作り手により呼び方はまちまちです。今回も、どちらかと言うと取り鉢に見える、そんなうつわもたくさんあって、それがそれぞれの個性になってたのしいのですが…。
ともあれ、なっちゃんのお皿に対する苦手意識はわかった。鉢でもいいから。と、そのときのやりとりは終わったのですが…。搬入日、届いたお皿は、どれもスッと渕が薄くて凛とした、まぎれもない「お皿」でした。
どこから見てもお皿です。そうメールを送ったけれど、いやいや、お皿むずかしいです…と、どうやらお皿については、気持は修行中の長谷川さんのようです。
黒い鉄釉、黄色みがかった松灰釉。それもすてきな色だったけど、すべてお嫁に行って、あとふた色。
上は、粉引きの六寸皿。
真っ白で、清廉な印象のなっちゃんの粉引きが好きです。
デリケートな表情の林檎灰のグレー。どんな色あいのお料理にも馴染みます。
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